11.トラック固有の特性
(1)走行時の注意
トラックは一般の乗用車などと比べ、車体が大きく重い荷物を運ぶので、一旦事故を起こすと重大事故につながりかねません。このためトラックの運転者は運転技術の向上に加え、知識・マナーなどを心得るように努めています。また、道路を運転するときには、特に安全に細心の注意を払っています。
- 視界・視野
- 普通の乗用車と比べて運転席が高く、車体全体が大きいので、普通の乗用車と比べて視界・視野が大きく異なります。
- 車幅
- 乗用車に比べて車幅が広いので、細い道などですれ違うときは注意して運転しています。
- 内輪差
- 自動車が曲がるとき、後輪は前輪と比べて内側を通ります。特に曲がるほうのタイヤの前輪と後輪の通り道の幅の差を内輪差といい、車体の長いトラックはこの内輪差が大きくなります。運転者は内輪差を考えて曲がるように気をつけています。
- 揺り戻し
- 荷物が液体の場合、カーブの時には重心が移動して転倒することが無いよう細心の注意をはらって運転しています。 また急ブレーキや急加速のときに積荷が片寄りそれが波になってタンク全体に大きな負荷がかかります。急ブレーキを踏むと車体が止まった少し後に、積荷が前に押し寄せて、衝撃が来るので、このようなことが無いような運転に努めています。
- トレーラのジャックナイフ
- 急ブレーキなどが原因でトラクタの部分とトレーラの部分が、くの字に曲がってしまうことをジャックナイフ現象といいます。重大事故につながる可能性があるのでトレーラの運転者は常に急ハンドル・急ブレーキをしないように心がけています。
(2)貨物の積載方法
荷物を積んで走る場合は走行中に荷崩れをしないように固縛が必要です。また、トラックは荷物の積み方次第で不安定になるので安全運行ができるよう適切に荷物を積み込んでいます。