15.法律で定められた基準以上の大きな荷物を運ぶ場合

(1)大きな荷物を運ぶ場合

公共性の高い新幹線、橋、ダムの発電機や風力発電の羽、人工衛星のロケットなどやビルの鉄骨などを運ぶ場合に、大きさを小さくしたり分割したり重量を軽くしたりすることで、強度や精度が保てなくなるものがあります。また分割することで工事期間が長くなったり何度も運ばなければならなかったりなど、社会基盤整備の遅れや経済性を低下することにもなります。
このため、そのように重量や大きさが一般的な制限を超えて運ぶことが公共性に有益であると認められる場合に限っては、国や都道府県市町村の道路管理者に申請し許可(認定)を受けて運ぶことができます。
道路管理者は申請された内容が道路や橋などに影響がなく安全に通行できると判断した場合には、申請者に許可証(認定書)を発行します。 なお、このほか運ぶ際に周囲の人や車両が安全に通行できるため、警察の制限外許可(道路交通法)の申請と許可も必要とする場合もあります。

このページのトップへ↑

(2)通行許可を受けなければならない車両

道路の構造を保全し、または交通の危険を防止するため、道路を通行する車両の大きさや重さが制限されています。したがって、長さ、幅や高さなどが、次に示す値を超える車両は通行許可を受けなければなりません。

一般的制限値

長さ 12.0m 12.0m
2.5m 2.5m
高さ 3.8m 3.8m
重さ 車両総重量 20.0トン 20.0トン
軸重 10.0トン 10.0トン
隣接重量 ・隣り合う車軸の軸距が1.8m未満:18.0トン
(ただし、隣り合う車軸の軸距が1.3m以上、かつ隣り合う車軸の軸重がいずれも9.5トン以下のときは19トン)
・隣り合う車軸の軸距が1.8m以上:20.0トン
・隣り合う車軸の軸距が1.8m未満:18.0トン
(ただし、隣り合う車軸の軸距が1.3m以上、
かつ隣り合う車軸の軸重がいずれも9.5トン以下のときは19トン)
・隣り合う車軸の軸距が1.8m以上:20.0トン
輪荷重 5.0トン 5.0トン
最小回転半径 12.0m 12.0m

このページのトップへ↑

(3)通行許可条件

通行許可には、車両の重さや寸法によって次のような条件が付きます。

許可区分 内 容
重量に関する条件 寸法に関する条件
A条件 徐行などの特別の条件を付さない。 徐行などの特別の条件を付さない。
B 徐行および連行禁止を条件とする。 徐行を条件とする。
C 徐行、連行禁止および当該車両の前後に誘導車を配置することを条件とする。 徐行、連行禁止および当該車両の前後に
誘導車を配置することを条件とする。
徐行および当該車両の前後に誘導車を配置することを条件とする。 徐行および当該車両の前後に
誘導車を配置することを条件とする。
D 徐行、連行禁止および当該車両の前後に誘導車を配置し、かつ、2車線内に他車両が通行しない状態で、当該車両が通行することを条件とする。
道路管理者が別途指示する場合は、その条件も付加する。
徐行、連行禁止および当該車両の前後に誘導車を配置し、
かつ、2車線内に他車両が通行しない状態で、
当該車両が通行することを条件とする。
道路管理者が別途指示する場合は、その条件も付加する。
(注)C条件のほかに、運行時間帯などの特別な条件が個別に付加される。 (注)C条件のほかに、運行時間帯などの
特別な条件が個別に付加される。

通行許可を受けて重い荷物を運ぶトラックは上記許可区分に従って、次のような事項を守って道路を走行しています。

1書類の携帯
許可証、条件書、経路図 (包括申請の場合には、トラック・トラクタ内訳書、トレーラ内訳書も携帯が必要)
2.通行時間
通行時間が指定されている場合は、その時間内に通行すること。
3.通行期間
許可された期間内だけ通行すること。
4.通行経路
許可された経路以外の通行はしないこと。
5.通行条件
橋、トンネルなどでの徐行、誘導車の配置などが義務づけられているときには、必ずその措置をとること。
6.道路状況
出発前に、道路管理者または(財)日本道路交通情報センターに、許可された道路の状況を確認すること。
7.事故のとき
万が一、事故のときには直ちに応急措置をとり、道路管理者に報告すること。

このページのトップへ↑

(4)特殊車両の種類

一般的制限値を超えて通行許可を受け、道路を走行する特殊車両には主に次のようなものがあります。

バン型
バン型
自動車運搬型
自動車運搬型
あおり型
あおり型
コンテナ型
コンテナ型
タンク型
タンク型
幌枠型
幌枠型
スタンション型
スタンション型
船底型
底型
重量物運搬用セミトレーラ
重量物運搬用セミトレーラ

このページのトップへ↑

≪トラック早分かりトップ≫