2.事業用トラックの種類
一般的な貨物を運ぶ事業用トラックの大きさは、積載量により大きく分けて小型トラック、中型トラック、大型トラックの3つに分類されます。その他に特種な形状・仕様のトラックやトレーラなどがあります。
(1)小型トラック
一般的に積載量が2トン以下のトラックを小型トラックと称します。主な形状は次のとおりです。
![平ボディ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/1-1.jpg)
平ボディ:
荷台がフラット型の汎用的なトラックです。
![バンボディ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/1-2.jpg)
バンボディ:
荷台がアルミ製の箱型のトラックです。平ボディよりも風雨から荷物を保護することができます。現在では最も一般的なトラックです。
![保冷車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/1-3.jpg)
保冷車:
外気の影響を受けにくいように、荷台に断熱加工がされているトラックです。荷物を低温で運ぶことができます。
![冷凍冷蔵車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2023/11/40P-1-2.jpg)
冷凍冷蔵車:
冷凍・冷蔵装置が付いて、荷台が冷凍庫や冷蔵庫のようになるトラックです。冷凍食品を運んだり、生鮮食品を新鮮なまま運ぶことができます。
(2)中型トラック
一般的に積載量が4トンクラスのトラックを中型トラックと称します。トラックの荷台の形や装備によってトラック1台ごとの積載量に大きな開きがあります。主な形状は次のとおりです。
![平ボディ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/2-1.jpg)
平ボディ:
荷台がフラット型の汎用的なトラックです。荷台が軽いため、おおむね積載量を4トン以上確保することができます。屋根が無い分、貨物の積卸しが容易です。(クレーン付きを除く)
![バンボディ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/2-2.jpg)
バンボディ:
荷台がアルミ製の箱型のトラックです。平ボディよりも風雨から荷物を保護することができます。ただし、ボディの重量によって積載量は4トン以下に減少します。
![ウィングボディ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/2-3.jpg)
ウィングボディ:
荷物の積卸しがしやすいように、バンボディの両側が開くトラックです。開いたときに鳥の翼を広げたような形になるのでこう呼ばれています。
![冷凍冷蔵車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/2-4.jpg)
冷凍冷蔵車:
冷凍・冷蔵装置が付いて、荷台が冷凍庫や冷蔵庫のようになるトラックです。冷凍食品を運んだり、生鮮食品を新鮮なまま運ぶことができます。
![幌ウィング](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/2-5.jpg)
幌ウィング:
荷台を幌で覆ったウィング車です。普通のウィング車よりも軽量化できるので荷物をたくさん積めるというメリットがあります。
(3)大型トラック
一般的に積載量が10トンクラスのトラックを大型トラックと称します。トラックの荷台の形や装備によってトラック1台ごとの積載量に大きな開きがあります。主な形状は次のとおりです。
![平ボディ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/3-1-1.jpg)
平ボディ:
荷台がフラット型の汎用的なトラックです。11~15トンの最大積載量が確保できます。
![バンボディ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/3-2.jpg)
バンボディ:
荷台がアルミ製の箱型のトラックです。平ボディよりも風雨から荷物を保護することができます。
![ウィングボディ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/3-3.jpg)
ウィングボディ:
荷物の積卸しがしやすいように、バンボディの両側が開くトラックです。開いたときに鳥の翼を広げたような形になるのでこう呼ばれています。
![冷凍冷蔵車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/3-4.jpg)
冷凍冷蔵車:
冷凍・冷蔵装置が付いて、荷台が冷凍庫や冷蔵庫のようになるトラックです。冷凍食品を運んだり、生鮮食品を新鮮なまま運ぶことができます。
(4)特種な形状・仕様のトラック
![ダンプ車1](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-1-1.jpg)
![ダンプ車2](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-2-1.jpg)
ダンプ車:
荷台の前の部分が持ち上がり、土や砂利などを簡単にすべり降ろせるようになるトラックです。
![タンクローリー1](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-3.jpg)
![タンクローリー2](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-4.jpg)
タンクローリー:
石油などの液体を運ぶトラックです。液体を積むと不安定になるので、重心を低くするために、荷台の形が楕円形をしています。
![液糖タンクローリー](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-5.jpg)
液糖タンクローリー:
液糖を運ぶトラックです。ステンレスのボディは鏡のようにピカピカに磨かれています。外観だけでなく、キャビンの清掃やタンク内の衛生管理も徹底されています。
![バルク車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-6.jpg)
バルク車:
小麦粉や肥料、砂糖などの粉粒体を運ぶトラックです。粉粒体を降ろすときは空気の圧力を使って、ホースから出します。
![水素運搬車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-7.jpg)
水素運搬車:
水素を圧縮して運搬するトラックです。水素は地球上もっとも軽い気体なので、大きなタンクに満タンに積んでも200kg程度の重さです。
![ミキサー車1](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-8.jpg)
![ミキサー車2](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-9.jpg)
ミキサー車:
生コンクリートを運ぶ車です。荷台を回転させて生コンクリートを固まらないようにすることができます。一回当たりの運行距離が短いのが特徴です。
![塵芥車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-10.jpg)
塵芥車:
ゴミを回収する車です。たくさんつめるように圧力をかけて潰しながら、ゴミを積んでいきます。
![馬運車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-11.jpg)
馬運車:
馬を運ぶ車です。馬の乗り心地を考えて、エアサスペンション(空気バネ)や荷台にもエアコンが装備されています。
![ダブルキャブ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-12.jpg)
ダブルキャブ:
人の乗るスペースを増やしたトラックです。運転席の後ろにもう一列座席があります。配送現場により多くの人を運べます。作業員も多く、同乗できます。
![鉄道コンテナ1](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-13.jpg)
![鉄道コンテナ2](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-14.jpg)
![鉄道コンテナ3](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-15.jpg)
鉄道コンテナ:
鉄道輸送に使われるコンテナ(荷物の入った大きな箱)を運ぶためのトラックです。
![散水車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-16.jpg)
散水車:
道路の清掃などの目的で、道路に水をまくためのトラックです。
![ダンプローダー](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-17.jpg)
ダンプローダー:
ショベルカーやブルドーザーなどの重機を運ぶためのトラックです。重機が乗り降りできるように、傾斜をつけることができます。
![ウォークスルー](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-18.jpg)
ウォークスルー:
主に宅配便に使われています。運転席から荷台まで通り抜けられるので、ウォークスルーと呼ばれています。
![現金輸送車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-19.jpg)
現金輸送車:
主に現金を運ぶ車です。荷台は金庫になっていて、簡単には開けられない扉がついています。様々な防犯機能がついています。
![霊柩車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-20.jpg)
霊柩車:
棺を運ぶ車です。バン型、宮型、洋型、バス型があります。ハイヤーと間違われがちですが、旅客自動車ではなく貨物自動車の扱いです。
![リンボーバン](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-21.jpg)
リンボーバン:
荷台の高さを調節できるバン型のトラックです。
![超重量車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-22.jpg)
![超重量車](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/4-23.jpg)
超重量車:
橋桁などの重量物を運ぶトラックです。重量物を支えるために、タイヤがたくさん付いています。
(5)トレーラ
荷台が大きいトレーラは単体のトラックでは運べない大きな荷物や、よりたくさんの荷物を一度に運ぶことのできる車です。
一般的には全体でトレーラと呼ばれていますが、正確には、後ろの荷物を積む部分をトレーラ(被けん引車)といいます。また、トレーラを引っ張る車のことをトラクタ(けん引車)といい、ヘッドとも呼ばれています。
トラクタ1台で複数のトレーラや異なる形状のトレーラとのセットが可能なため、輸送効率を高めることが可能です。
トレーラにはセミトレーラやフルトレーラなどいくつかの種類があります。
- ・セミトレーラ
- もっとも一般的なのがセミトレーラです。けん引部分と合わせた、全体の長さは一般的には16.5m以下です。
![セミトレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-1.jpg)
- ・フルトレーラ
- より多くの荷物を積むために単車にトレーラを連結した車両です。フルトレーラのトラクタは普通のトラックとしても使うことができます。けん引部分と合わせた、全体の長さが一般的には18m以下です。
![フルトレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-2-2.jpg)
- ・特種トレーラ
- トレーラにも運ぶものによって様々な種類があります。
![](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-3.jpg)
車両運搬車(キャリアカー):
自動車を運ぶトレーラです。
![タンクトレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-4.jpg)
タンクトレーラ:
石油などの液体を運ぶトレーラです。
![バルクトレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-5.jpg)
バルクトレーラ:
粉粒体を運ぶトレーラです。
![コンテナトレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-6.jpg)
コンテナトレーラ:
主に海上コンテナを運ぶトレーラです。
![スタンショントレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-7.jpg)
スタンショントレーラ:
木材や鉄鋼などを運ぶためのトレーラです。輸送中に荷物が崩れるのを防ぐためにスタンションを立てます。
![重トレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-8.jpg)
重トレーラ:
トレーラの中でも通常よりかなり重い荷物を運ぶときに用いるトレーラです。目的に合わせて、軸の数やタイヤの数が異なるトレーラがあります。
![構内用フルトレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-9.jpg)
構内用フルトレーラ
工場などの構内で主に用いられるトレーラで、ハンドルを切るとトレーラのタイヤも曲がります。
![重機運搬セミトレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-10.jpg)
重機運搬セミトレーラ:
ショベルカーやブルドーザーなどの重機を運搬するときに用いるトレーラです。
![ポールトレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-11.jpg)
ポールトレーラ:
長尺物を運ぶトレーラです。荷物によってポールを伸縮させます。
![荷台伸縮式トレーラ](https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/5-12.jpg)
荷台伸縮式トレーラ:
最大積載量60トンで、荷台を3.5m伸ばすことができます。海外輸送する大型機械を港まで陸送します。