職種別平均賃金

 平成23年5、6、7月に支給された全職種1人1ヵ月平均賃金は、特積が312,500円（対前年比2.3％減）、一般が309,900円（同0.1％減）、これに年間支給賞与の1ヵ月平均額を加えた月額は、特積が351,600円（同3.9%減）、一般が347,500円（増減なし）となった。
特積、一般が１人1ヵ月平均賃金で前年を下回ったのは2年ぶりであり、平均賃金と賞与を加えた月額で特積が前年を下回るのも2年ぶりである。
運転者から事務員、荷扱手、整備・技能員までの職種を含めたトラック運送事業全体では、全職種平均で１人1ヵ月平均賃金が310,900円（同1.1%減）、年間賞与の1ヵ月平均額を加えた月額が349,000円（同1.7%減）となり、2年ぶりに前年を下回った。
トラック運送事業従業員の7割近くを占める男性運転者（けん引、大型、普通）の賃金をみると、特積では１人1ヵ月平均賃金が321,500円（同2.9％減）、年間賞与の1ヵ月平均額を加えた月額が355,200円（同5.0％減）となった。一方、一般では1人1ヵ月平均賃金が318,600円（同0.1%減）、年間賞与の1ヵ月平均額を加えた月額が349,300円（同0.2％増）となった。特積と一般を合わせた男性運転者全体では、1人1ヵ月平均賃金が319,800円（同1.3％減）、年間賞与の1ヵ月平均額を加えた月額が351,600円（同2.1％減）となり、2年ぶりに前年を下回るとともに、減少幅が全職種平均より大きくなった。
東日本大震災の被災地、岩手、宮城、福島3県の調査対象会社で回答のあった特積、一般をあわせたトラック運送事業者における全職種平均賃金（１人1ヵ月平均賃金）は、岩手県では対前年比2.6％増と前年を上回り、宮城県では同11.3％減、福島県では同0.8％減と前年を下回っている。
男性運転者の賃金を職種別にみると、高い方から、特積では大型、けん引、普通の順となり、一般ではけん引、大型、普通の順になっている。大型運転者と普通運転者の賃金格差は、特積では1人1ヵ月平均賃金で67,900円（前年80,300円）、年間賞与の1ヵ月平均額を加えた月額で72,600円（同79,500円）と前年より縮小している。一般でも、1人1ヵ月平均賃金で46,400円（同50,200円）、年間賞与の1ヵ月平均額を加えた月額で51,500円（同53,500円）となり、格差が縮小している。
男性運転者の賃金を業種別に比較すると、1人1ヵ月平均賃金と年間賞与の1ヵ月平均額を加えた月額で、けん引を除く大型、普通運転者で特積の方が一般を上回っており、大型運転者の賃金をみると、特積と一般の賃金格差は、1人1ヵ月平均賃金で32,100円（前年47,500円）、年間賞与の1ヵ月平均額を加えた月額で36,900円（同60,100円）と格差が縮小した。
トラック運送事業従業員の平均年齢は、男性運転者（けん引、大型、普通）が44.2歳と前年より0.6歳上昇し、全職種平均では43.6歳と前年より0.5歳上昇している。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、従業員5人以上規模の企業の1人平均月間現金給与総額（平成23年5月分）は、全産業平均で271,175円（対前年同月比1.0％増）となっている。