平成13年度規制改革要望と結果

平成14年7月
(社)全日本トラック協会

要望事項 結 果
1.貨物自動車の「大型」と「普通」の区分の見直し
 簡易クレーン、冷凍装置等の架装による省力化、効率化を推進し、併せて環境対策にも資するため、以下の点について早期に見直しを図られたい。

(1)運転免許制度の見直し
  貨物自動車に係る運転免許制度の見直しにあたっては、「大型自動車」と「普通自動車」との区分の境界を、現行の「最大積載量5トン、車両総重量8トン」から車両総重量について「10トン」と改めるよう措置されたい。
(2)運転免許制度以外の規制事項の見直し
  貨物自動車に係る運転免許制度の見直しが検討されていることに鑑み、車両総重量8トンを境に区別されているその他の規制事項等について、境界を総重量10トンとするよう見直しをされたい。
(3)上記(1)及び(2)については、時期を同じくして見直しが実施されるよう関係省庁間において必要な調整を図られたい。
○総重量8トンを規制区分とした現行の保安基準の規定について、規制区分を一律に車両総重量10トン未満まで緩和することは、他の諸制度との関連も含め、自動車の安全を確保する観点から慎重に対処する必要がある。
○高速道路の料金車種区分及び車種間の料金比率は、建設管理に要した費用を償うため、利用者間の負担の公平を考慮し、道路運送車両法に定められた大きさ等を基本とし、道路の建設費、管理費に与える影響度合いや道路を空間的・時間的に占有する割合、また、道路を利用することによる便益の違いを総合的に勘案して決定しているものである。
(国土交通省)
○普通自動車免許は乗用車を使用して行っており、この普通自動車免許で8トン未満の貨物自動車まで運転できることとなっているが、運転できる貨物自動車の範囲をさらに拡大することは、道路交通の安全を確保する上で問 題が大きい。
○「道路交通に関する条約」(ジュネーブ条約)では、普通自動車免許で運転できる自動車の車両総重量は、3.5トン以下とされており、車両総重量8トン未満という我が国の基準は、現状においても国際的な基準から大幅に緩和されたものとなっている。
(警察庁) 
2.高速道路における大型貨物自動車の最高速度規制の緩和
 高速道路において、同一の走行車線に速度の異なる車両が混在して走行することは、車両の安全走行を妨げるばかりか、事故を誘発する一因にもなりかねない。他の交通と合わせ、高速道路の円滑な走行を確保する観点から、高速道路における大型貨物自動車の最高速度規制を現行の80km/hからバスと同様100km/hに引き上げられたい。 
○高速道路における大型貨物自動車に係る死亡事故は、依然多発しており、その原因としては速度超過の割合が高いことが挙げられる。○大型貨物自動車は普通乗用車と制動距離等の差が存在していること、死亡事故率が普通乗用車に比べて高いこと等から、最高速度を時速80?としており、合理的である。また、諸外国においても普通乗用車と大型貨物自動車の速度差が設けられているところである。
○従って、大型貨物自動車の最高速度の引き上げについては、慎重に対応すべきと考える。
(警察庁) 
3.NR装置の最高速度基準の緩和
 NR装置の作動速度は60km/h以下とされているが、実際の走行では指定の速度維持が困難であるので、交通流のスムーズ化や安全走行の確保を図る観点から、NR装置の作動基準について現行の60km/hから70km/h程度にまで引き上げられたい。
○速度制限装置を取り外した車両による事故が多発したため、平成8年12月から速度制限装置の機能確認の徹底を図っているところである。
○また、要望の「実際の走行では指定の速度維持が困難であるので」については、具体的な事実関係を確認の上、今後の対応を検討する。
(国土交通省)
4.駆動軸重の軸重規制緩和
 エアサス車の軸重規制については、規制改革推進3か年計画において13年度に技術的な検討を行い、その結果を踏まえて軸重制限の可否について検討することとなっているので、物流効率化の促進及び物流コストの低減に資する観点から、エアサス車については、軸重の10トン規制を欧州並みの11.5トンへ引き上げられたい。
○軸重の基準は、道路、橋梁等の道路構造物の耐久限度等を考慮して規定されており、国土交通省の所管法令において最高限度を10トンと定めている。
○エアサス装備車両の軸重制限については、現在、自動車工業界等の協力の下、技術の検討を行っており、その検討結果を踏まえて、緩和の可否について検討を行う。
(国土交通省)
5.3軸車25トンまでの規制緩和
 建設事業にとって必要不可欠な建設資材等の運搬を行っているダンプカー、コンクリートミキサー車等については、輸送の効率化等に資するため、車長、軸距にかかわらず3軸車25トンまでの車両総重量規制緩和を図られたい。
○橋梁等においては、その構造の保全のため単位面積あたりの荷重を一定に抑えなければならず、従って、通行車両に対しては車長・軸距に応じた総重量制限が必要となる。
○車長・軸距に関わらず、一律に3軸車の車両総重量をすべて緩和することは、単位面積あたりの荷重を制限することができなくなり、道路構造の保全上重大な支障となるため、その実施は困難である。
○なお、3軸車であっても車長・軸距の長い一定の車両であれば、車両の形状に関わらず登録が可能であり、既に高速自動車国道及び指定道路において総重量25トンまでの自由走行が可能となるよう措置している。
(国土交通省)
6.車高についての規制緩和
 車高に係る規制については、物流の効率化、低コスト化に資するため、海コンについては早期に現行の4.1mから4.2mへの緩和を求めるとともに、その他の車両についても、海コンルートにおいては現行の3.8mから4.1mにまで緩和されたい。
○背高海上コンテナは、国際複合一貫輸送のため、積み替えて輸送することが困難であるという特殊事情に鑑み、低床式シャーシを用いるということを条件に例外的に許可対象としたものである。
○また、背高海上コンテナ以外のコンテナについては、こうした特殊事情が認められないので許可対象とすることは困難である。
○分割可能な積載物は許可の対象とされておらず、自動車のみをその例外とすることは困難である。
(警察庁)
  ○国際海上コンテナで高さ9フィート6インチのものを積載する車両については、同コンテナが国際複合一貫輸送に供されるものであり、かつ車高を低くしても3.8mを超えて4.1mにならざるを得ない特殊性があることから、昭和60年度より車高4.1mで許可を受けてあらかじめ指定された経路を通行することができる。
○分割可能な他の貨物を積載した車両(車載輸 送トレーラを含む)については、上述のような特殊性は認められない。仮に分割可能な各種の背の高い車両の通行が増加することとなれば、これら一般的な国内貨物の積載車両は、背高海上コンテナのようにISO規格によっ て厳格に製造・積み付けされた車両と異なり、積み荷の状況が様々であるため、車高が4.1mを超えて通行する可能性もあり、高さに関わる事故が多く発生している現状においては、慎重な対応が必要である。
○コンテナを積載して車高が4.2mとなる車両については、車高を低くしても4.2mにならざるを得ないという特殊性はないので、許可することはできない。
(国土交通省)
7.基準緩和車両積載条件の緩和
 基準緩和の積載条件については、規制改革推進3か年計画において分割可能貨物の輸送について、条件付きで保安基準28トンの基準内輸送を可能とする方向で検討されているが、条件については、極力「限定された簡素なもの」とするべきであり、早急に推進されたい。
○分割不可能貨物を輸送する基準緩和車両の関 係法令の基準内の輸送に関する規制緩和等については、関係法令の基準内の輸送が厳に遵守されることが前提となる。このため、基準緩和車両の認定条件の順守状況、交通事故の発生状況を踏まえつつ、確実に基準内での輸送が担保されるような制度、方策等について関係当局及び関係団体と調整中である。
(国土交通省)
(なお、本件については、基準緩和の認定を受けたトレーラであって、緩和項目が車両総重量等の重量規制に限られるトレーラについて、平成14年10月より分割可能な貨物輸送が保安基準の範囲内で認められることとなった。この取り扱いは、平成14年10月以降に行うすべての基準緩和の認定の申請から適用される。)
8.セミトレーラ車両総重量及び連結車両総重量規制の緩和
 規制緩和推進計画に基づき、車両総重量が44トン程度となるISO規格40フィート国際海上コンテナフル積載車両の高速自動車国道等における通行が可能となったが、国内貨物の輸送についても、海コンルートについては、物流の効率化及び低コスト化の推進を図るため、セミトレーラの車両総重量規制について現行の28トンから36トン程度に、また、連結車両総重量規制について現行の36トンから44トン程度にまで引き上げられたい。

9.鋼材輸送に係るセミトレーラ及び連結車両総重量規制の緩和
 車両総重量が44トン程度となるISO規格40フィート国際海上コンテナ・フル積載車両は、指定された道路を通行可能とされているが、鉄鋼製品の輸送について、物流の効率化及び低コスト化の推進を図るため、積載の完全な固縛を条件として、セミトレーラの車両総重量規制について現行の28トンから36トン程度に、また、連結車両総重量規制について、現行の36トンから44トン程度にまで引き上げられたい。
○国際海上コンテナは、輸出入時と同じ状態で輸送され、国内で貨物の積み替えを行わないという国際複合一貫輸送に特殊性があることから、保安基準では規定を緩和できる車両の対象とし、また、道路構造の保全のため必要な運行禁止条件等を付したうえで、高速自動車国道及び指定道路等において、フル積載した状態で特例的に特殊車両通行許可の対象としている。
○これに対して、国際海上コンテナ以外の貨物の輸送(鋼材輸送、複合輸送も含む。)は積載物の軽減等が可能であるため、同貨物の積載 車両については、国際海上コンテナ積載車両と同様の特殊性は認められず、フル積載した状態での国際海上コンテナ積載車両と同程度 までに引き上げることはできない。
○なお、国際海上コンテナ以外の貨物の積載車両については、平成10年6月に高速自動車国道及び指定道路等における特殊車両通行許可限度重量を引き上げている。これにより最遠軸距12m程度の一般的なセミトレーラ連結車で約25%の積載量の増加が可能となるよう措置している。
(国土交通省)
10.土砂等を運搬する大型自動車に係る規制の緩和
「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」等に基づく以下の規制について、物流コストの軽減を図る観点から、早期に緩和されたい。
(1)営業用貨物自動車には使用者の名称等の表示が義務付けらていることから、二重規制となる営業用ダンプカーへの「表示番号の指定」及び「表示番号の表示」義務については廃止されたい。
(2)ダンプカーへの「積載重量の自重計」の取付け義務については、営業用については運行管理等により、過積載違反が大幅に減少している現状に鑑み、物流コストの低減を図る観点から早期に廃止されたい。
○土砂等を運搬するダンプカーは、速度制限違反、積載制限違反及び過労運転を生じやすく、重大事故を引き起こす可能性が高い。
○従って、「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故防止等に関する特別措置法」においては、道路運送法により義務づけられている使用者等の表示に比べて、より見やすい表示番号を表示することにより、運転者・使用者の無謀な運転に対する自戒自粛を促すこととしている。このため、表示番号の廃止は困難である。
○ダンプカーによる過積載は減少してきているものの、依然としてその検挙件数は1万件を超えており、過積載の全検挙件数の約42%(平成12年)を占めているという厳しい状況にあることから、自重計の取付義務づけの規定を廃止することはできない。
(国土交通省)
11.特殊車両の通行許可申請及び更新手続き等の事務の簡素化
 年々高度化する物流ニーズへの的確かつ迅速な対応に資するため、申請及び更新等に際しての手続方法、添付書類等の簡素化及び審査期間の短縮等事務手続きの一層の簡素化を図られたい。
○申請に対して許可するまでの標準期間として、
 ?申請経路が、他の道路管理者との包括的な事前協議を了している道路情報便覧記載路線であること。
 ?申請車両が、詳細な審査や協議が不要となる一定の車両諸元であること。
 の場合、新規及び変更申請にあっては3週間、更新申請にあっては2週間としている。
○今後は、道路情報便覧記載路線の順次拡大などを図るとともに、オンライン化に向けたシステムの開発を推進することにより、処理期間の短縮を検討する。
○また、付属書類の経路図については、平成12年10月より提出部数を2部に削減した。
(国土交通省)
12.市街化調整区域における物流施設開発許可の緩和
 市街化調整区域における物流施設の開発について、特別積合せ運送事業以外の一般貨物自動車運送事業についても、特別積合せ事業と同様に開発許可を不要とされたい。
○都市計画法第29条第3号は、公益上必要な建築物に関する開発行為を適用除外としており、これらの建築物は、都市にとって公益上不可欠なものであり、また、ほとんどが国若しくは地方公共団体又はこれに準ずる法人が設置主体であったり、設置についての管理法があり、一般的にみて弊害が生ずるおそれが少ないものであるからである。
○従って、必ずしも公益上必要であるとは言えない一般貨物自動車運送事業及び倉庫業の用に供する建築物の建築に係る開発行為を一律に適用除外とすることは困難である。
(国土交通省)
13.フォークリフトの特定自主検査期間の延長
 フォークリフトの死亡事故の主な原因は、運転者の操作ミスによるものが大半であり、整備不良に起因する重大事故が発生する確率は極めて低い。また、トラック運送事業者によるフォークリフトの安全管理は、毎日の作業前点検及び毎月の定期自主検査等、適正に行われている。加えて、物流コスト低減を図ることが求められていることから、フォークリフトの特定自主検査期間について、現行の1年に1回から2年に1回程度に延長されたい。
○フォークリフトについては、重量物の積み卸し、横移動等の荷役作業が頻繁に繰り返し行われるため、制動装置及び走行装置等を含めて過酷な使用条件にあることから、当該機械による労働災害を防止するためには、1年ごとの定期的な検査を行う必要がある。
(厚生労働省)
14.障害者雇用に係る「除外率」の引き上げ
 トラック運送事業従事者は、貨物の積み込み・積み卸し等、労働負担の大きい「附帯作業」を伴うことが多い。また、当業界の全従業員に占めるドライバーと荷扱手の割合は、78.3%に達していることや、障害者用車両が未だ市販されていないなど、障害者を雇用するに適した職場が極めて少ないことから、障害者雇用に係る「除外率」を少なくともバス・タクシーと同程度の75%に引き上げられたい。
○除外率制度については、職場環境の整備等が進んでいる実態と合わなくなっていること、障害者の雇用機会を少なくし、障害者の職域を狭めるおそれがあること等から、平成14年2月、除外率の原則廃止を内容に含む「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律」を国会に提出したところであり、「除外率」の引き上げは困難である。
(厚生労働省)

 


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