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平成9年度税制改正に関する要望と結果
平成8年12月
(社)全日本トラック協会
自動車関係(取得、保有、燃料)諸税
要望事項 | 結果 | |
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1. | 自動車関係(取得、保有、燃料)諸税を廃止又は軽減されたい。 〔理由〕 自動車関係諸税(取得、保有、燃料)は、数次の値上げにより過重な負担となっているので廃止又は軽減を図られたい。 道路整備は、自動車使用者のみならず、ひろく経済社会の発展、国民生活の向上に資するものであるので、その財源を過度に自動車関係諸税に依存することなく、あくまでも一般財源を中心とすべきである。 軽油引取税については、暫定的とする増税措置が再々実施されているが、特に平成5年12月には、それまでの暫定税率に加えて、1リットル当たり7円80銭という大幅な増税がなされ、その増税分の転嫁が出来ない現況に加えて最近の軽油価格の値上げ等によりトラック事業は極めて厳しい事業経営を強いられている。 少なくとも7円80銭の増税分を撤廃されたい。 |
現行どおり。 |
2. | 消費税と二重課税となっている自動車取得税を廃止されたい。 〔理由〕 消費税が引き上げられることとなっているが、すでに自動車の車体に対する課税が過重となっているうえに、自動車取得税が消費税と二重課税となっていることは、消費税が個別間接税を吸収し間接税の一般化を目指すことと矛盾するので自動車取得税を廃止されたい。 |
現行どおり。 |
3. | 石油諸税について消費税相当額の軽減措置を講じられたい。 〔理由〕 消費税導入時に物品税、酒税等については廃止、軽減等の調整措置が行われたが、石油諸税については、再三の増税措置により過重な負担となっているにもかかわらず、調整措置が行われていないので消費税見直しに当たり消費税相当額を軽減されたい。 |
現行どおり。 (その他 検討事項2.参照) |
4. | 自動車重量税の還付措置を講じられたい。 〔理由〕 車検期間を残して抹消登録した残存期間の自動車重量税を還付されたい。 なお、自動車税や自賠責保険は、抹消登録後の残存車検期間分について月割により還付されている。 |
現行どおり。 |
輸送の効率化等対策税制
要望事項 | 結果 | |
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1. | 共同輸送の用に供する施設に対する特例措置を講じられたい。 〔理由〕 輸送の効率化によるコスト削減をはじめ交通渋滞、環境問題等に資するため、共同輸送の用に供する建物、付属設備及び車庫施設等に対する特別償却及び税額控除の措置を講じられたい。 |
認められなかった。 |
2. | 過積載防止対策を推進するため車両重量計の設置に対する特例措置を講じられたい。 〔理由〕 過積載防止をより一層推進するため、車両重量計を設置した場合等の特別償却又は税額控除をされたい。 |
認められなかった。 |
環境対策税制
要望事項 | 結果 | |
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1. | フロン等の特定物質を使用しない環境設備を取得した場合の特例措置の期限を延長されたい。 〔理由〕 フロン等の特定物質を使用しない環境設備(トラック用冷却装置)を取得した場合の特別償却制度の適用期限を延長されたい。 |
2年間延長。 対象設備:脱HCFC対応設備の追加取得価格の拡充:240万円→200万円 特別償却率:現行どおり(18/100) |
2. | 低公害自動車を取得した場合に係る特例措置の期限を延長されたい。 〔理由〕 低公害自動車(電気自動車、圧縮天然ガス自動車、メタノール自動車、ハイブリッド自動車)を取得した場合に係る自動車取得税の軽減措置の適用期限を延長されたい。 |
2年間延長。 自動車取得税軽減率:現行どおり(2.4/100) |
企業税制
要望事項 | 結果 | |
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1. | 法人税を軽減されたい。 〔理由〕 法人に課税される実質税率(国税、地方税)は、欧米諸国に比べ最も高く国内空洞化の要因にもなるとともに、長期化する景気低迷により事業経営が極めて厳しいので法人税率を欧米水準まで軽減されたい。 |
認められなかった。 |
2. | 長期所有土地等を譲渡し、既成市街地等以外の建物、構築物、機械装置への買い換え特例措置を延長されたい。 〔理由〕 昭和56年12月31日以前に取得した事業用の土地、建物、構築物を譲渡して、既成市街地等以外の地域内にある事業用の減価償却資産を取得した場合における圧縮記帳の特例措置の適用期限を延長されたい。 |
1年間延長された。 圧縮記帳:現行どおり(60%) |
3. | 少額資産損金参入限度額(20万円未満)の引き上げ措置を講じられたい。 〔理由〕 資産計上するための取扱件数の増加とともに事務管理コストの増大を招いているので、近年の物価上昇を勘案し損金参入限度額を引き上げ(30万円程度)られたい。 |
現行どおり。 |
4. | 中小企業に関連する特例措置を延長されたい。 〔理由〕 トラック運送事業は、その大半が中小零細企業であり、経済的基盤が弱いため、近代化、合理化を促進すべく構造改善事業をはじめとする近代化施策を進めているところであり、経済的基盤確立のうえから次の特例措置の適用期限を延長されたい。 (1)中小企業者の機械等の特別償却 (2)中小企業構造改善計画を実施する商工組合等、構成員の機械及 |
2年間延長された。 (1)取得価格:220万円→230万円特別償却率:現行どおり(11/100) (2)割増特別償却率:20/100→18/100 |
その他
要望事項 | 結果 | |
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1. | 事業所税等の特別措置を維持されたい。 〔理由〕 輸送効率化によるコスト削減を図り、多様化・高度化する輸送ニーズに適切に対応するとともに、良質の輸送サービスを提供するためには、事業所税等の特別措置が是非とも必要である。 |
現行どおり。 |
2. | 環境税(炭素税)等新税の安易な導入は反対である。 〔理由〕 国内貨物輸送の重要な役割を担うトラック運送事業は、交通混雑の激化する中で、労働時間の短縮、NOx等の環境対策に伴うコスト増に加え、軽油引取税の増額、高速道路料金の値上げ等極めて厳しい経営状況にあり、これ以上の過重な税負担には耐えられないので、安易な燃料課税等による環境税(炭素税)等新税の導入は行わないようにされたい。 |
見送られた。 |
その他 認められた事項(平成9年度税制改正大綱抜粋)
1. | 自動車NOx法特定地域において、特定排出基準適合車へ代替した場合の自動車取得税の特例措置。 | 10年排出ガス規制適合車を追加。 H9.4.1~H11.3.31 : 1.5%軽減H11.4.1~H13.3.31 : 1.2%軽減 |
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2. | 最新排出ガス規制適合車を購入する場合の自動車取得税の特例措置 | 10年排出ガス規制適合車を追加。 H9.4.1~規制開始前 : 1.0%軽減規制開始後~規制完全実施半年前 : 0.1%軽減 |
その他 検討事項(平成9年度税制改正大綱抜粋)
1. | 消費税 | 消費税制度を国民的合意のもと一層円滑に実施するため、事業者に対しては消費税の円滑かつ適正な転嫁を要請するとともに、事業者の実務実態等を踏まえつつ、消費税を含む税体系の見直しが行われる場合の消費税のあり方について基本的検討を行う。 |
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2. | 石油諸税 | 個別間接税(石油)のあり方については、将来における消費税のあり方をもにらみつつ、適切な調整を含めて総合的に検討するものとする。なお、道路特定財源は堅持する。 |
社団法人 全日本トラック協会