緊急・救援輸送
< ライフラインとしてのトラック >
トラック輸送は、生活と経済を支える「ライフライン=命綱」であり、自然災害などの際にも重要な役割を果たしています。トラック運送業界では、自然災害などの緊急時に国や地方自治体と連携し、優先的かつ迅速に緊急・救援輸送を行っています。
平成23年3月11日に発生した「東日本大震災」では、発災直後から業界をあげて被災地への救援物資の緊急輸送に取り組み、国による緊急輸送として1,925台、都道府県による緊急輸送として8,702台のトラックが被災地に物資を届けました。
また、近年頻発する自然災害に伴う緊急支援物資輸送に加え、令和2年2月~4月には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う帰国者滞在施設向けの物資輸送などにも対応しました。
直近では、令和6年1月に発生した「能登半島地震」においても、多数の緊急支援物資輸送のトラックを出動させています。
◆主な緊急支援物資輸送の実績
◆関連刊行物
東日本大震災における緊急支援物資輸送活動の記録
令和6年能登半島地震 緊急支援物資輸送等活動記録
< 災害対策基本法に基づく指定公共機関 >
平成26年8月、全日本トラック協会は「災害対策基本法」に基づく指定公共機関として、内閣総理大臣から指定されました。また、東日本大震災の経験や、首都直下型地震等の被害想定を踏まえ、官民一体となった取り組み強化の一環として、津波防災の日を中心とした各種防災訓練を実施し、指定公共機関としての役割を果たすなど、今後も名実ともに災害時緊急輸送の中枢機能を果たすことが期待されています。
なお、全ての都道府県トラック協会では、自治体と災害時の輸送協定を締結し、いざという時のための万全の緊急輸送体制を構築しています。
災害対策基本法に基づく指定公共機関の指定について
全日本トラック協会防災業務計画
< 災害物流専門家の育成 >
緊急物資輸送を円滑に行うためには、災害対策本部や末端の物資集積地等さまざまな現場において、的確に輸送計画を策定し、諸調整や現場の作業指示等を行うことが重要です。
全ト協では、こうしたノウハウを有する人材を「災害物流専門家」と位置付け、災害物流専門家が果たすべき役割や、災害物流専門家を育成するための手法等についてプログラムを策定し、令和2年度から育成研修をスタートしています。
< 緊急給油ネットワークの構築 >
東日本大震災を教訓に、緊急物資輸送車両の燃料確保のため、トラック運送事業者および協同組合の自家用燃料スタンドを活用した緊急給油ネットワークを整備しています。