平成28年星野良三全ト協会長年頭所感
公益社団法人 全日本トラック協会
会長 星野 良三
平成28年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年一年を振り返りますと、燃料価格が下がり経営の安定化が図られましたが、アベノミクス効果による人手不足が強まり、労働条件が他産業と比べ劣るトラック運送業界ではドライバーの確保が課題となりました。
このような中、国土交通省及び厚生労働省のご指導により「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」が中央及び47都道府県のすべてに設置され、荷主の参画を得て手待ち時間の解消や付帯業務の有償化方策等を協議することとなりました。我が業界にとり画期的なことであり全ト協はもとより地方協会の総力を挙げて取り組んでまいります。
一方、高卒新卒者の採用にとって障害となっていた中型免許問題は、道路交通法の改正により「準中型免許」が創設されることとなって解決され、平成29年の出来るだけ早期の施行をお願いしているところです。高卒新卒者の採用を増やすべく、全ト協ではリクルートの体制整備や免許取得費の補助などを行ってまいります。
次に年末の税制、予算の要望について申し上げます。
最大の課題でありました高速道路料金最大割引50%の継続問題は自民党トラック輸送振興議員連盟及び公明党トラック問題議員懇話会、さらに自民党ITS推進・道路調査会の先生方のお力により、ETC2.0の搭載を前提に1年間延長されました。この装置については物流の効率化に資するものであり、高速道路保有機構の1台1万円の補助に加え全ト協も助成する方向で検討してまいります。
自動車取得税の廃止に伴う自動車税の環境性能課税化については要望がほぼ認められ、エコカー減税による自動車取得税の税率1.2%が1%に軽減されるなど2割程度の負担軽減となります。
また、平成28年度予算では温暖化対策税引き上げに伴い、エネルギー対策特別会計のトラック関係予算が20億円上積みされ80億円となり、新たに総重量36トンの大型シャーシ等が補助されることとなりました。
以上の成果は昨年11月の「要望を実現する会」に結集された全国の会員の皆様のお力によるものと改めて感謝申し上げるものであります。
さて、私は平成23年に会長に就任以来、地方トラック協会に直接出向き、会長、副会長、事務局の皆様から地方が抱える諸課題について生の声を聴き、全ト協の業務運営に反映させてまいりました。本年もトラック運送業界が抱える課題の解決に向け皆様の先頭に立って全力を挙げてまいりますことをお誓いして、私の年頭のご挨拶といたします。
平成28年元旦