街でみかけたおもしろトラック(第61回~)
トラックは日本全国、日夜活躍しています。ここでは、これまで機関紙「広報とらっく」の「街で見かけたおもしろトラック」のコーナーに掲載したユニークなボディデザインや、おもしろい機能のトラックを写真で紹介します。
第68回 「リニアラッピングトラック 東京―名古屋間、2027年開業!」(中央紙運輸㈱、中津貨物自動車㈱、協和物流㈱)
- 東京-名古屋間を1時間未満で結ぶ、リニア中央新幹線を描いたラッピングトラックが運行を開始した。
トラックへのラッピングは、岐阜県東美濃地域およびリニア中央新幹線を県内外へ広くPRすることを目的に、東濃東部リニア停車駅誘致期成同盟会(会長:杉本潤中津川商工会議所会頭)が企画し、中津川市の中央紙運輸株式会社(齊藤隆社長)、中津貨物自動車株式会社(郷原基幸社長)、そして、隣接する恵那市の協和物流株式会社(髙木良直社長)の協力を得て製作されたもの。
車両の側面には自然豊かな中津川市、恵那市の風景をバックに、躍動感のある走行中のリニア中央新幹線がプリントされており、「岐阜県東美濃 2027開業 リニアで未来を築く!」の文字が躍っている。
この3社のラッピングトラックが全国各地を走行することで、東京-名古屋間の停車駅として開業する「岐阜県駅(仮称)」と、車両基地が整備される同地域の知名度向上と地域の一層の発展が期待されている。
<広報とらっく/平成30年6月1日号掲載>
特別編 福岡県トラック協会PR 「TRUCK PRIDE」 ラッピングトラック (福岡県トラック協会、㈱西物)
- 福岡県トラック協会(眞鍋博俊会長)では、トラック運送業界のイメージアップと人材確保を目的としたラッピングトラックを、株式会社西物(中嶋利文代表取締役社長)の協力を得て運行している。
同ラッピングトラックは、広報活動の一環として、全国的なドライバー不足に悩むトラック運送業界のイメージアップを図ろうと企画されたもの。
若者をターゲットとして、「モノを動かさなきゃ日本の明日はない TRUCK PRIDE」というコピーを掲げ、「トラック運転手は日本を背負う誇りある仕事である」というメッセージと、物流の重要性を、インパクトあるデザインとコピーでPRしている。
第67回 鹿児島PR「西郷どん」ラッピングトラック
(鹿児島県・鹿児島市、阿久根市、鹿屋市/セイコー運輸㈱、㈱タハラ運送、㈲大姶良運送)
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鹿児島県トラック協会では、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映、明治維新150周年記念事業の実施に併せ、鹿児島の観光振興の取り組みが展開されているため、全国を走行するトラックに鹿児島をPRする広告をラッピングして、鹿児島の魅力を発信している。
デザインには、鹿児島県作成の「西郷どん」キャンペーンのロゴマークや、「かごしま明治維新博」のロゴマークが、鹿児島の名所など観光促進に繋がる写真等と組み合わせて使用されている。<広報とらっく/平成30年3月15日号掲載>
第66回 広川町PRトラック (福岡県八女郡広川町、㈱原口商事)
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①
- ②
- ③
- ②
- 福岡県八女郡広川町の㈱原口商事(原口典道代表取締役)では、町の特産品をPRするラッピングトラックを運行している。トラックの荷台の全面に描かれているのは、広川町商工会青年部キャラクターの「広川まち子」ちゃん。同町特産のイチゴ「あまおう」をあしらったベレー帽をかぶり、同町で生産される久留米絣の着物をまとった、そばかすがチャームポイントのキャラクターだ。
トラックの片面では「フルーツの里」としての広川町をPR(写真①)。同町の特産品であるイチゴ・梨・桃・ぶどうといった果物と、こちらも特産のガーベラが色とりどりに描かれており、それらを広川まち子ちゃんが可愛らしい笑顔で指し示している。
もう片面では、「久留米絣の産地」としての広川町を紹介(写真②)。久留米絣の反物のかたわらで、広川まち子ちゃんが、町の木「イチョウ」の葉や、町の花「菊」をバックに微笑んでいる。菊の花は、同町の特産品(電照菊)でもあり、同町の象徴のような存在だ。
観音開きになっている背面扉には、左側にガーベラを持った広川まち子ちゃんとGマークが、右側に「あまおうの生産地 フルーツの里 広川町」というフレーズとともに、鮮やかな赤色の「あまおう」のイラストが描かれている(写真③)。
チルド食品を載せ、広川町と鹿児島県鹿児島市との間を毎日往復運行している同車両は、今日も同町の魅力を載せて、九州を駆け巡っている。
<広報とらっく/平成29年7月1日号掲載>
第65回 岡山県・岡山市合同観光PRトラック (岡山県・岡山市 ㈱岡田商運)
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- 岡山県岡山市の㈱岡田商運はこのほど、岡山県・岡山市合同観光PRトラック2台の運行を開始した。
これは、岡山県内全域をエリアに開催されている「おかやまハレいろキャンペーン」(キャンペーン期間=平成29年4月1日~9月30日)に合わせて同社が製作したもの。大型トラックの荷台両側面に、岡山のシンボルである岡山城や岡山後楽園のデザインがラッピングされているほか、背面には「くだもの王国おかやま」にふさわしく、当地名産の桃やマスカットなどがみずみずしく描かれている。
4月13日には、山陽自動車道の吉備サービスエリア(上り)でお披露目した。川面に映える漆黒の城として知られる岡山城や、日本三名園のひとつとして名高い岡山後楽園が描かれた大型トラックの登場に、多くの出席者が息をのんだ。
同トラックは関東から九州までの広い範囲を走行する予定で、同社は「岡山のシンボルを描いたトラックが各地で走行することで、岡山のPRに貢献することができれば」と話している。
<広報とらっく/平成29年5月1日号掲載>
新春特別編
「出世の街・直虎ゆかりの地 浜松」ラッピングトラック
(静岡県浜松市 ㈱アトランス、ウェルポート㈱、浜松定温輸送㈱、㈲ハロー・テンリュー、㈱マーリス)
(上)世界で1台となる「純金ナオトラック」
(下)「井伊直虎っく」と愛称をアピールするウェルポートの加藤社長と協力企業代表者ら
(上段)トラック左側面には、浜松城をデザイン
(中段・左)出発式には、「出世大名家康くん」、「出世法師直虎ちゃん」も駆けつけた
(中段・右)トラック背面は、5台とも共通のデザインが施されている
(下段)運転席側の側面には、井伊家菩提寺の龍潭寺庭園が描かれている- 徳川家康公と井伊直虎・直政にゆかりの「出世の街 浜松」は今、平成29年の1年間にわたって放送されるNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の舞台として、全国から脚光を浴びつつある。これを機に、「直虎ゆかりの地」を全国にPRするため、静岡県トラック協会(大須賀正孝会長、「おんな城主 直虎」推進協議会会長)が会員事業者に働きかけ、5社のトラックにフルラッピングを施した。トラックには、マスコットキャラクターの「出世法師直虎ちゃん」と「出世大名家康くん」のデザインが施されている。1月6日に同市の浜松城公園駐車場で出発式が行われた。
このラッピングトラック事業は、静岡県ト協西部支部と北遠支部の会員事業者による自主的な取り組みに、浜松市が賛同し、一部のデザインや画像の提供等を行った。
車両の提供は、浜松市内の㈱アトランス(渡邉次彦社長)、ウェルポート㈱(加藤浩幸社長)、浜松定温輸送㈱(高橋満敬社長)、㈲ハロー・テンリュー(渡辺昭人社長)、㈱マーリス(森裕社長)の5社。また、ラッピングには、同会員事業者でボディプリント事業も手がける㈲するが通商(杉本貴彦社長)が協力した。
5台のうち大型トラック2台(ウェルポート、マーリス)と中型トラック2台(アトランス、浜松定温輸送)の4台は、赤を基調に運転席側の片面に井伊家菩提寺の龍潭寺(りょうたんじ)、助手席側の片面には浜松城の写真をあしらったデザイン。
残り1台の大型トラック(ハロー・テンリュー)は、他のトラックとデザインが異なる世界で1台の「純金ナオトラック」で、黄金色の背景に豪華な蒔絵風の直虎ちゃんと家康くんのイラストが並ぶプレミアム版。東名高速道路と新東名高速道路を使って、富士市と愛知県豊田市の間を走行する。
出発式で、大須賀静岡県ト協会長は、「完成したトラックはとても素晴らしい。直虎だけでなく、浜松の魅力を全国に宣伝したい」とあいさつ。また、鈴木康友浜松市長は各社の協力に感謝しつつ、「家康、直虎と出世の街を全国にPRして、日本中に出世運を振りまいてほしい」と期待を寄せあいさつした。また、協力運送会社を代表してウェルポートの加藤社長が、ラッピングトラックの愛称が直虎とトラックをもじった「ナオトラック」となったことなどに触れ、「井伊直虎っく」のプレートを示し会場を沸かせた。
式典の最後には、「純金ナオトラック」に乗務するトラガール・宮沢しげ美さんが、「ナオトラックに乗務できることは誇り。トラガールとして安全運転に努め、浜松市のPRに役立ちたい」と、出発式にあたり決意を語った。
式典後、ラッピングトラック5台は、浜松城公園駐車場から静岡県警浜松中央署の白バイとパトカーの先導で華々しく出発。式典に出席した関係者や観光客らは、直虎ちゃんと家康くんとともに手を振って見送った。
浜松市は、「昨年のゆるキャラグランプリで優勝した『出世大名家康くん』のちょんまげに宿る出世運と、『出世法師直虎ちゃん』がもつ『うなぎの思い槍』が開運の気を振りまき、トラックに出会えた皆様に幸運を授けます」とPRしている。
<広報とらっく/平成29年1月15日号掲載>
第64回 秋田県湯沢市PRトラック (秋田県湯沢市、川連運送㈱)
- 秋田県湯沢市の川連運送㈱では、市の観光名所や名産品などをPRするラッピングトラックを運行している。
トラックの片面には、春の「小町まつり」、夏の「七夕絵どうろうまつり」、冬の「犬っこまつり」といった湯沢市を代表するお祭りなど、湯沢市の美しい四季の風景が描かれている。
もう片面には、日本三大霊地である「川原毛地獄」をはじめ、「小安峡大噴湯」、「皆瀬ダム」といった「ゆざわジオパーク」の名所が、背面には、稲庭うどんや三梨牛、三関さくらんぼ、駒形りんごといった地元の特産品とともに、湯沢市観光PRキャラクターの「こまちちゃん」が描かれているほか、湯沢市のホームページや川連運送のCM動画にアクセスできるQRコードも掲載されている。
ラッピングトラックは、湯沢市と築地市場の間を毎日往復運行しており、秋田県産の食肉を中心に、青果物、鮮魚等、生鮮品の冷蔵・冷凍輸送を行っている。同社では、「走る湯沢市広報大使」として、地元・湯沢市の魅力を最大限にPRしている。
<広報とらっく/平成28年11月1日号掲載>
特別編 「HINOダカールラリーマシン」 (東京・日野市、日野自動車㈱)
欧州の大型モンスターカミオンと戦い「リトルモンスター」と称されるHINOダカールラリーマシン- ダカールラリーに初参戦以来25回連続完走!
総走行距離約1万kmにも及ぶ長く厳しい道程を、約2週間をかけて激走する「ダカールラリー」。最低完走率が20.5%を記録したこともある「世界一過酷なラリー」に、日野自動車㈱(市橋保彦社長)は、平成3年に「日野レンジャー」で日本のトラックメーカーとして初めて参戦。以来25回連続完走を果たしている。
また、このうち9年には、トラック部門総合では史上初となる1・2・3位を独占するという快挙を成し遂げた。その後も総合2位を3回獲得するなど、トラック部門のトップクラスのチームとして活躍を続けている。また、8年に創設された同部門の「排気量10リッター未満クラス」でも14年まで7連覇を果たした。その後2年間は同クラスが廃止されたが、17年大会で再び優勝を果たした。19年にもクラス優勝、さらに22年から28年にかけてはクラス7連覇の栄冠を手にしている。
世界が注目するラリーに参戦を続けているのが、同社の日野レンジャーをベースにしたHINOダカール用マシン。中型車(車両総重量7.3トン)でありながら総排気量8866ccのターボインタークーラー付きディーゼル4サイクル直列6気筒エンジンを搭載。最高出力630PS、最大トルク230kgf・mを誇るモンスターカミオン(CAMION:フランス語でトラックの意)だ。
なお、同社広報によると、「マシンには、日本文化を象徴する歌舞伎の『隈取』をイメージしたカラーリングが施されています。歌舞伎役者が『ここぞ』という時ににらみを利かせるように、日野レンジャーも排気量が倍近くもある欧州メーカーのライバルトラックたちに、ひるむことなくにらみを利かせて戦いを挑み続けています」という。ぜひ、次の戦いでも日本車の誇りを見せて欲しいところ。
<広報とらっく/平成28年2月15日号掲載>
第63回 「水郷の街・柳川市観光PRトラック」 (福岡県、㈱柳川合同)
(上)白秋をモチーフにした最新のラッピングトラック
(下)平成26年2月に導入された観光PRトラック1号 は「川下り」とつるしひな「さげもん」がモチーフ- ㈱柳川合同は、柳川市(金子健次市長)が取り組んでいる観光PRプロジェクトに協力し、水郷の街・柳川市に生まれた北原白秋と同市の観光資源などが描かれているラッピングトラックを2台走らせている。
ラッピングトラックには、運転席側から向かって左手に、明治18(1885)年柳川藩御用達の海産物問屋を営む旧家に生まれ、「雨ふり(雨雨フレフレ)」、「待ちぼうけ」、「からたちの花」など、誰もが知る詩歌を残した詩人の北原白秋の顔写真が。そして、中央には、明治後期に建てられ国の登録有形文化財建造物に指定されている、3棟並んだ美しいレンガ造りの建物、通称「並倉」と呼ばれる鶴味噌醸造㈱の工場を背景に、白秋の代表的な作品の一つである「この道」の歌詞が大きく描かれている。
白秋の故郷柳川への思いは強く、「この道」の3番の歌詞は、白秋の母の実家への道の情景といわれている。また、運転席のすぐ後ろの位置には、「白秋のふるさと 水郷 やながわ」の文字と、白秋が描いたイラスト「舌出人形」と「黒猫」も登場する。
今回、このトラックをデザインした同社の谷口明日香事務主任(採用担当)は、「平成27年が白秋生誕130年ということで、白秋をモチーフにしました。この白秋の笑顔の写真は、『北原白秋記念館』所蔵のもので、親族の方々から『穏やかで優しい白秋の性格をよく表している』と推薦していただいたものです。他には出回らない珍しいものをお借りできました」とデザインのポイントを説明。
なお、このラッピングトラックに乗るドライバーは、常に柳川市をPRすべく観光資料を携帯しており、トラックを見て声をかけてくる一般ドライバーなどにも丁寧に柳川市の観光案内を行っており、観光大使としての役割を果たしている。
<広報とらっく/平成27年4月1日号掲載>
第62回 新居浜市「走る広告塔事業」ラッピングトラック (愛媛県新居浜市、一宮運輸㈱)
- 工都として知られる愛媛県新居浜市は「走る広告塔事業」を推進しており、同市をPRするためのラッピングを施した長距離トラックを運行する運送業者を公募。今年2月から一宮運輸㈱の13トン車・森実エクスプレス㈱の13.5トン車の2台のラッピングトラックが運行中だ。
観光名所である「別子銅山産業遺産」、勇壮な男祭り「新居浜太鼓祭り」(平成26年は10月16日(木)(~18日(土)開催)という新居浜市の誇る2大名物が、荷台の左右・後部の3面にびっしりとプリントされている。うち一宮運輸㈱の13トン車は、おもに化学品関係の輸送を行っており、その運行範囲は新居浜を起点に南は熊本・佐賀、北は千葉、日本海側では新潟まで及ぶという。
ラッピングトラックが導入されて以来、社内をはじめ、取引先のほか、全国をトラックで走る中で出会う一般の方からも、必ず第一声に「派手!」という反応が返ってきたというほどインパクト大のデザインは、パーキング停車時に一般ドライバーに撮影されることもしばしば。運転を担当している曽我部光一さんは、太鼓祭りにも毎年参加する地元・新居浜出身者であるため、ラッピングの内容について質問されても即答することができる。特に「太鼓祭りが大好き」という曽我部さんは、お祭りについて尋ねられるとことさら熱心に説明するという。トラックを安全に運行するドライバーとしての役割のみならず、地元のPR大使的役割も果たしている。
<広報とらっく/平成26年9月1日号掲載>
第61回 「あついぞ!熊谷」PRトラック (埼玉県熊谷市、熊谷産業㈱、リンテック㈱))
- 国内屈指の気温の高さを誇る街として知られる埼玉県熊谷市は、その暑さを地域資源と捉え、「暑さ」を「気持ちの"熱さ"」にまで広げようと市民が一丸となり、様々なまちづくり活動に活かす「あついぞ!熊谷」事業を平成17年から展開している。
そんな「あつい街PR作戦」に協力しようと、同市のトラック運送事業者・熊谷産業㈱が、昨年から同市の市民部を通じて話を進め、ラッピングトラック運行計画を知った同市に工場のある荷主・リンテック㈱が協力。 同社の製品である耐候性に優れた屋外用特殊フィルムを使用し、ラッピングトラックを制作・施行した。
車体に描かれているのは、同事業のシンボルキャラクター「あつべえ」。 ラッピングが施されているのは、北は東北から南は九州まで、日本全国を運行している15トン長距離トラック17台。ラッピングを見た同業者や得意先から、「あの暑さで有名な!」との声をかけられることも多いという。 今後さらに台数を増やし、全国で熊谷市のPRをしていく計画だ。
<広報とらっく/平成26年8月5日号掲載>