平成13年度税制改正に関する要望と結果

平成13年4月
(社)全日本トラック協会
要  望 与党税制改正大綱の結果
○「重点要望事項」
1.ディーゼル車排出ガス対策税制を創設・拡大されたい。

(1)最新規制適合車又は低公害車を導入した場合の軽減措置の創設・拡大
〔理由〕
 ディーゼル車排出ガス対策は、国民の健康を守るため喫緊の課題となっており、早急な対応が求められている。

(2)ディーゼル車を廃車し、ガソリン車等へ代替した場合の軽減措置の創設
〔理由〕
 ディーゼル車排出ガス対策は、基本的にはエンジンの改良、燃料である軽油の品質改良が不可欠であるが、同時に現在使用過程にあるディーゼルトラックについてはガソリン車等への代替も環境対策として効果的であるとされている。

(3)DPF(ディーゼル微粒子除去装置)を装着した場合の特例措置の創設
〔理由〕
 車両の代替等に当たっては多額の費用を要するが、99.8%が中小企業であるトラック運送事業者にはそれだけの負担力は無いので、税制上及び補助金等の支援措置が必要である。

(4)NOx法における特定地域内で特定自動車排出ガス規制非適合車を廃車して同基準適合車に買換えた場合の軽減措置の拡大・延長
〔理由〕
 最新規制適合車等への代替を強制的に行う場合には、さらに大幅な助成が必要である。 

1.自動車取得税(現行3%)
改正NOx法特定地域内廃車代替特例「新規」
H13.10.1~15.3.31 2.3%軽減
H15.4.1~17.3.31 1.9%軽減
H17.4.1~19.3.31 1.5%軽減
H19.4.1~21.3.31 1.2%軽減
注H13.9.30までは引き続き1.2%軽減される。
改正Nox法特定地域外廃車代替特例「新規」
H13.10.1~15.3.31 0.5%軽減
平成14年排出ガス規制適合車「拡充」
 特例措置の対象は、ガソリン、ディーゼル軽量貨物車等(車両総重量1.7t以下)
H13.4. 1~14.9.30 1.0%軽減
H14.10.1~15.2.28 0.1%軽減
低公害車特例「延長」
 電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ハイブリッド自動車
H13.4.1~15.3.31 2.7%軽減
低燃費車特例早期取得特例「延長」
H13.4.1~14.3.31 価格から30万円控除
2.自動車税(グリーン税)「新規」
軽課・低公害車のうち電気、圧縮天然ガス、メタノール車及び
・☆☆☆かつ低燃費車 50%軽減(2年間)
・☆☆かつ低燃費車 25%軽減(2年間)
・☆かつ低燃費車 概ね13%軽減(2年間)
注1軽課は新車新規登録の翌年度から2年間実施。
注2☆☆☆は、排出ガスが最新規制値の1/4以下の自動車、☆☆は、1/2以下の自動車、☆は、3/4以下の自動車
実施時期は、
13年度に取得した車は平成14年度・平成15年度
14年度に取得した車は平成15年度・平成16年度
重課 11年超ディーゼル車 10%重課
13年超ガソリン車
 13年度末までに車齢が超えた車は14年度以降、14年度中に 車齢が超えた車は15年度以降、それぞれ恒久的に実施する。
3.ディーゼル車→ガソリン車への代替特例、DPF装置特例措置については見送られたが、DPF装置の補助金等については、13年度において1億円が予算化された。
2.軽油引取税の暫定税率の撤廃又は軽減措置を図られたい。

〔理由〕
自動車は、取得、保有、走行の各段階にわたり課税の対象となっており、自動車関係諸税は9種類にも及んでいる。しかも、税率は数次にわたり値上げされ、ユーザーの負担は極限に達している。

特に、軽油引取税は平成5年に1リットル当たり24円30銭(本則税率15円00銭)から32円10銭へと7円80銭の大幅アップが行われ、5年間の暫定期間とされたものが平成10年にさらに5年間延長され今日におよんでいる。

平成5年の改定に際しては、政府指導によりアップ分の運賃転嫁が行われるよう措置するとされたが、運賃引下げ要請が強まるなかほとんどが転嫁できず、トラック運送事業者の負担となっており厳しい経営を余儀なくされている。このため、安全対策や環境対策等社会との共生を図るために必要な対策を講ずることも困難な状況にあるので、軽油引取税について7円80銭の暫定税率の撤廃又は軽減措置を図られたい。

今年度は特に議論されなかった。

3.炭素税等新たな負担となる新税の創設は反対である。

〔理由〕
トラック運送業界は、荷主からの輸送コスト削減要請等に加え、9種類もの自動車関係諸税を負担しており、これ以上の過重な税負担には耐えられないので、炭素税等安易な燃料課税及び自動車関係諸税の重課等新税の導入には反対である。

止むなく炭素税等新税を創設する場合には既存の自動車関係諸税の見直しを行い、負担増とならないよう図られたい。また、課税は国民全体が広く薄く、公平に負担するよう末端のユーザーに課税するのではなく、原油輸入時等の段階で課税されたい。

導入を阻止した。
4.法人事業税についての外形標準課税の導入は反対である。

〔理由〕
トラック運送事業者52,000社のうち99.8%が中小零細事業者であり、赤字企業も約50%を占めている。

外形標準課税の導入は多くのトラック運送事業者の経営を圧迫するとともに、雇用不安を増長する要因ともなるものである。

トラック運送事業は典型的は労働集約産業であり、また、所有を義務付けられている車庫等それ自体では何らの利益を生じない固定資産が多い。

このようなトラック運送事業固有の特質から外形標準課税の導入による影響は非常に大きく、導入には反対である。

見送られた。しかし、税制大綱では、「法人事業税への外形標準課税の導入は、すべての法人が、その事業活動規模に応じて薄く広く、かつ、公平に地方公共団体の幅広い行政サービスの対価を負担するものである。このことは、応益課税としての事業税の性格を明確にし、地方公共団体には、地方分権を支える安定的な地方財源を保障するものとなる等、地方税として望ましい方向の改革である。今回、具体的について検討を行ったが、さまざまな意見があり、結論を得るに至らなかった。したがって、今後、課税の仕組み等についてさらに検討を深め、景気の状況等も勘案しつつ、早期の導入を図る。」としている。
5.中小企業投資促進税制(中小企業の機械等の特別償却及び税額控除)を延長されたい。

〔理由〕
 総合経済対策の一環として、中小トラック運送事業者を対象に貨物自動車の購入に係る特例措置が創設されたが、物流の効率化、輸送コストの削減、環境保全対策の推進等に資する観点から、本制度を延長されたい。

経済対策として措置されている中小企業投資促進税制は適用期限が平成14年3月31日まで延長された。
対象設備等 トラック(総重量3.5?以上)、機械設備(230万円以上)、器具備品(100万円以上)等が対象。
○法人税・所得税:特別償却30%又は税額控除7%
6.自動車重量税の還付措置の創設を図られたい。

〔理由〕
 車検期間を残して抹消登録した車両は走行による社会的費用が発生しないので、残存期間分に相当する自動車重量税は、税負担の公平の観点から還付されたい。

見送られた。しかし、「リサイクルの観点からの自動車重量税の還付制度の創設」については、自民党税制大綱において「検討事項」として、下記の通り記述された。
「自動車重量税については、使用済み自動車の不法投棄防止及び自動車リサイクルの促進の重要性に鑑み、使用済み自動車が適正処理された場合のインセンティブ措置について、立法措置を含めた自動車リサイクルシステムの整備と併せ、課税趣旨や執行等も含めた幅広い観点から引き続き検討する。」
 なお、与党税制改正大綱には、与党として検討されなかったので明記されていない。
○「その他要望事項」  
1.社会資本の整備

(1)道路整備特定財源の他用途への転用は反対である。
〔理由〕
道路はわが国の経済社会を支える重要な社会資本であり、国土の 均衡ある発展を図り、国民の交通環境、生活環境を改善するため、更に整備を推進する必要がある。
道路特定財源は、本来、一般財源により賄われるべき道路整備費 用を自動車のユーザーが特別に負担しているものであり、これを 他の用途へ転用することは納得できない。
道路特定財源を他の用途に転用する余地があるならば、本則の2 倍を超える高い暫定税率を負担している自動車ユーザーの負担を 軽減すべきである。

(2)道路整備への一般財源導入を拡大されたい。
〔理由〕
 道路は自動車の使用者のみならず、わが国経済社会の発展、国民生活の向上に資するものでありその利益は国民全体が享受しているものである。したがって、道路整備に係る費用は国民全体が負担すべきであり、一般財源を中心に賄われるべきにも拘わらず過度に自動車関係諸税に依存している。しかも、自動車関係諸税は暫定税率が長期間にわたっているうえ、数次の改定によりトラック運送事業者の負担力は限界に達しているのでこれを軽減するため一般財源の導入を図られたい。

(3)高速道路等通行料金を引き下げられたい。
〔理由〕
高速道路料金は数次の値上げによりトラック運送事業者の負担能 力を越えており、やむを得ず一般道路を利用する車両が増加している。これらの事態は、交通渋滞や交通事故等を招き沿道住民の生活環境を悪化させるだけでなく新たな社会負担を発生せしめる要因となっている。
高速道路の整備費用は、そのほとんどが利用料金収入によって賄 われているが、高速道路の整備に対しても一般財源を導入し、利用料金を引下げられたい。
一般財源を導入することにより、利用可能な水準まで高速道路料 金を引下げることが、均衡ある経済社会の発展に繋がるものである。また、高速道路を利用する車両が増加し、通行料金収入の増大も十分期待される。

税制改正と直接的な関係がないため、税制調査会等では議論はなかったが、関連する動きとして、自民党内で、

新幹線整備への転用
不採算な高速道路整備への転用が検討されたが、道路特定財源の他用途への転用は阻止できた。

2.自動車関係諸税(取得、保有、燃料)の軽減

(1)自動車取得税と消費税の整理統合及びガソリン税と消費税の二重課税を廃止されたい。
〔理由〕
 自動車関係諸税は複雑であり、ユーザーが理解しやすい税制に簡素化する必要がある。特に、自動車取得税と消費税は同種の税の併課であり整理する必要がある。また、ガソリンに係る消費税はタックスオンタックスとなっており、二重課税であるので解消されたい。


見送られた。

(2)フォークリフト及びトラック用冷蔵冷凍装置に係る軽油については軽油引取税を課税免除とされたい。
〔理由〕
 軽油引取税は道路整備のための目的税であるので、道路使用と直接関係のない、ターミナル等物流施設内で使用されるフォークリフト及びトラック用冷蔵冷凍装置用燃料に係る軽油引取税を課税免除とされたい。

見送られた。
(3)トラックに係る自動車関係諸税(自動車重量税、自動車取得税、自動車税)について営自格差の拡大を図られたい。
〔理由〕
トラックによる環境汚染を防止する対策として、トラックの走行 量を削減することが重要な対策のひとつと考えられている。トラックの走行量を削減するためには、積載効率を高める必要があり、積載効率の低い自家用トラックから効率の高い営業用トラックへの輸送転換が必要である。また、総合物流施策大綱においても自営転換の促進がうたわれている。
自営転換を図るためには、営業用トラックの利用を促進する施策 が必要であり、自動車関係諸税について営業用車の税負担をさらに軽減し、営自格差を強めることが効果的である。
現行の自動車関係諸税は、国と地方における道路整備財源の確保、自動車の使用に伴う社会的コストの負担のあり方等々様々な観点から設けられているものであり、営業用自動車については、その公共性、輸送効率等を勘案し、いわゆる営自格差として軽減税率が講じられているとされ、見送られた。
3.輸送効率化対策税制

(1)物流施設(トラックターミナル等の荷捌施設、一時保管施設等)及び研修施設に係る固定資産税を軽減されたい。
〔理由〕
 トラック運送業の物流施設は、業務の適正な遂行及び輸送の効率化に資するために不可欠であり、当該施設に係る固定資産税は倉庫業と同様に取り扱われたい。また、都道府県トラック協会が建設する研修施設は、事故防止の推進をはじめ、次世代を担う人材育成を行い、トラック運送事業が社会と共生していくために不可欠の施設であり、これに係る固定資産税については、非課税又は軽減措置を創設されたい。


見送られた。

(2)特定情報通信機器の購入に係る即時償却制度(パソコン税制)の適用期限を延長されたい。
(措置内容)全額損金算入 (適用期限)平成13年3月31日
本税制は、適用期限(平成13年3月)の到来をもって廃止されることとなったが、パーソナルコンピュータの耐用年数については、現行の6年から4年に、その他のもの(周辺機器)については5年に短縮された。
(3)特定資産の買換えに係る特例措置の適用期限を延長されたい。
(措置内容)買換資産の圧縮記帳等特別勘定による損金算入
(適用期限) ・所有期間が10年超の土地建物等買換資産 法人税、所得税 平成12年3月31日
・その他特定資産 法人税平成13年3月31日、所得税 平成13年12月31日
 
適用期限が3年延長された。
10年超保有の土地・建物等の買換えの場合、譲渡益課税繰り延べ(圧縮割合80%)
(4)中小企業流通業務効率化法に基づく物流効率化施設の特別償却制度の適用期限を延長されたい。
(措置内容)特別償却8% (適用期限)平成13年3月31日
適用期限が2年間延長された。
特別償却  8%
4.環境対策税制

(1)低公害車の燃料等供給設備に係る固定資産税の特例措置及び特別土地保有税の非課税措置を延長されたい。

(措置内容) 固定資産税 初年度から3カ年分2/3
特別土地保有税 非課税
(適用期限) 平成13年3月31日


適用期限が2年間延長された。

固定資産税 初年度から3カ年分2/3
特別土地保有税 非課税

(2)フロン等の特定物質を使用しないトラック用冷蔵冷凍装置の購入に係る特例措置を延長されたい。
(措置内容)特別償却16%、(適用期限)平成13年3月31日
適用期限が1年間延長された。
特別償却  16%
5.企業税制

(1)中小企業後継者の円滑な事業継承を支援するための特例措置(同族会社の留保課税の廃止、固定資産税の評価方法の改革、生前相続特例制度、相続税の税率引下げ)を創設されたい。
〔理由〕
ラック運送事業者は約52,000社のうち、99.8%が中小零細企業であり、個人企業的色彩が非常に強く、経営者の個人資産を企業活動へ無償提供しているのが実態である。また、トラックは、国内貨物輸送量の90%を担っているが、これだけの貨物をきめ細かく輸送するのは大手企業だけでは到底不可能であり、中小トラック運送事業者抜きにわが国の貨物輸送は成立たないのが実情である。
現在、中小トラック運送事業者の経営者は高齢化が進んでおり、事業の継承問題が大きな課題となっている。トラック運送事業は広いスペースを要する車庫等の所有を義務付けられており、生前において後継者に事業を継承するには過重な贈与税が障害となっている。
中小トラック運送事業者が円滑な事業継承を行い、その公共的使命を継承するため、農地等と同様一定の要件の下で贈与税の納税猶予を認める特例制度を設けられたい。また、現行の相続税率を一層引下げる等、中小企業の円滑な事業継承を図られたい。


事業承継円滑化のための相続税・贈与税の改正が行われた。
相続税における特定小規模宅地(事業用・住居用)の特例の拡充
・特定事業用宅地の課税の特例(80%減額)
  適用対象面積 330u→400uに拡大
・特定居住用宅地の課税の特例(80%減額)
  適用対象面積 200u→240uに拡大

贈与税の基礎控除額の引き上げ
 60万円→110万円

(2)税制上における中小企業の範囲を3億円へ拡大されたい。

見送られた。
(3)事業協同組合等の留保所得の特別控除の適用期限を延長されたい。
(措置内容)留保所得の32%の損金算入
(適用期限)平成13年3月31日
2年間延長された。
事業協同組合等の留保所得について、累積留保所得金額が出資総額の1/4に達するまで、留保所得の32%の損金算入
(4)経営基盤強化計画の承認を受けた中小企業者が所有する機械等の割増償却の適用期限を延長されたい。
(措置内容)5年間普通償却限度額の27%
(適用期限)平成13年3月31日
2年間延長された。
経営基盤強化に資する一定の機械等27%の割増償却

その他
消費税については、与党税制大綱において「検討事項」として、下記の通り明記された。
「今後の税制における消費税の重要性にかんがみ、今後、消費税全体の見直しを行う際に、納税者の事業負担にも配慮しつつ、中小特例措置、インボイス方式、申告納付制度のあり方などについて検討を行うとともに、消費税の便宜を図る観点から総額表示の普及に取り組む。」


平成12年度税制改正に関する要望と結果 ---平成11年4月
平成11年度税制改正に関する要望と結果 ---平成11年2月
平成10年度税制改正に関する要望と結果 ---平成9年12月
平成9年度税制改正に関する要望と結果 ---平成8年12月



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